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iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、個人が任意で加入できる年金制度です。現役時代の税負担をおさえたり、資産運用をしながら老後資金作りができます。
iDeCoに興味はあるものの、「もし始めた後に無職になったらどうなるの?」と疑問に思い、始めることをためらっている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、iDeCoの加入者が無職になったときの対処方法やその手続きについて解説します。
目次
iDeCoは老後資金を貯めるために作られた制度であるため、「仕事を辞めて収入がなくなった」という理由では途中解約ができません。
積立していたiDeCoの資金を「脱退一時金」として60歳未満に受け取ることができるのは、以下の条件をすべて満たすときだけです。
つまり、iDeCoの加入期間が短く、国民年金保険料を支払えないほど収入が少ないといったやむを得ない事情を持つ人だけがiDeCoの途中解約を認められているのです。そのため「一度iDeCoに資金を出すと途中で引き出せない」と認識しておくのが無難といえます。
老後の生活に備えるためには、たとえ無職になっても、iDeCoに掛金を出して運用し続けるのがおすすめです。
iDeCoの掛金が少額だと全額所得控除の対象となることによる減税メリットは得にくくなるものの、資産運用の運用利益(通常は約20%課税される)が非課税となるメリットは変わらないからです。
しかし、収入がなくなると積立を続けることが難しくなる人もいるでしょう。そのときは、「①掛金の減額」「②積立の中断」のどちらかで対処しましょう。
iDeCo加入者は、希望すれば掛金を減額することができます。ただし、最低でも月5,000円を拠出する必要があります。また、掛金の変更は1年(1月〜12月の引き落とし分)に1回までなのでご注意ください。
□加入者掛金額変更届(第1号被保険者用)の記入例
もし無職になっても、iDeCoの掛金を減額すれば生活費を確保しやすくなります。ただし、iDeCoは掛金を出すたびに国民年金基金連合会に一律105円の手数料を支払う必要があります。掛金を減らしても手数料は安くならないので気を付けましょう。
iDeCoへの積立は、希望すればいつでも中断することができます。掛金の積立を停止している間は、これまでの「加入者」という立場から、新たな掛金の拠出はせずにこれまで積み立てた資金の運用のみ行う「運用指図者」に変わります。
iDeCoの積立中断の手順
iDeCoの積立を中断すれば、手元にある貯金や現金を全て生活費に充てることができます。しかし、iDeCoは掛金を出していない間も口座管理の手数料として最低月66円がかかり続ける点がデメリットになります。
掛金を減額するにせよ、積立を中断するにせよ、iDeCoは「手数料」がかかり続ける点が痛いところといえます。具体的には次のとおり手数料がかかります。
積立の減額 (加入者) |
積立の中断 (運用指図者) |
||
---|---|---|---|
運用中にかかる 手数料(毎月) |
最低171円~ 最高589円 |
最低66円~ 最高484円 |
|
(内訳) | 国民年金基金連合会 | 105円 | 0円 |
事務委託手数料 | 66円 | 66円 | |
iDeCo口座のある金融機関 | 0円~418円 (金融機関による) |
0円~418円 (金融機関による) |
|
加入者期間 | 含まれる | 含まれない | |
その他の注意点 | ・収入がない(または低い)と、掛金が全額所得控除の対象となっても減税効果がない | ・掛金が全額所得控除になるという減税効果が受けられない ・加入者期間に含まれないため、老後に確定拠出年金を一括で受け取る場合に使える「退職所得控除」の控除額を最大化できない |
iDeCoは無職になっても非課税で運用できるメリットがありますが、掛金を減額しても、積立を中断しても、一定の手数料がかかることは避けられません。
iDeCoの手数料は、口座を開設する金融機関によって違ってくるため、できるだけ手数料が安い金融機関を選んで口座開設すると良いでしょう。
合わせてこちらもチェック!
また、iDeCoへの加入を検討中の人は、「iDeCoを始めない」と決めるのも一案です。代わりに、いつでも自由に解約して資金を引き出すことができ、口座管理手数料などもかからず非課税で運用ができる「NISA制度」などを利用するのもおすすめです。
iDeCo加入中に無職になって国民年金の被保険者種別が変わったときは、iDeCoの口座がある金融機関に必要書類を提出する必要があります。
iDeCoは国民年金の被保険者種別ごとに掛金の上限額などが違うため、仕事を辞めて被保険者種別が変わったら、必ず「加入者被保険者種別変更届」を出す必要があります。
例えば会社を辞めて無職になった場合は、第2号被保険者から第1号被保険者に。会社員や公務員である配偶者の扶養家族になったときは、第3号被保険者に種別変更します。
iDeCoの加入者被保険者種別を変更する手順
無職になって収入が減ったことで、「国民年金の保険料免除」を受ける人もいるでしょう。その場合はiDeCoの加入者資格を満たさなくなり、積立ができなくなる点にご注意ください。
国民年金の保険料免除を受ける場合には、すぐにiDeCoがある金融機関に「加入者資格喪失届」を出しましょう。
もし手続きを怠ると、加入者資格がない期間分について、いったん拠出した掛金が金融機関から戻ってきます。その際、「還付手数料」がかかります。還付手数料は、還付されるたびに約1,500円(例;国民年金基金連合会に1,048円+事務手数料440円)かかるので、忘れずに手続きしましょう。
iDeCoの掛金は国民年金の被保険者種別によって変わるため、仕事が変わると掛金の上限額も変わることがあります。仕事を辞めた後の状況によって、掛金の上限額は次のとおりになります。
被保険者種別 | 具体的なケース例 | iDeCoの拠出限度額 |
---|---|---|
第1号被保険者 | 20歳以上60歳未満の ・無職の人 ・学生 など |
月額6.8万円 (年額81.6万円) |
第3号被保険者 | ・会社員や公務員の配偶者に扶養されている専業主婦(主夫) | 月額2.3万円 (年額27.6万円) |
会社員(第2号被保険者)の上限額は、職業や勤務先の退職金制度の内容次第で変わりますが、最高でも月額2.3万円(年額27.6万円)です。仕事を辞めて第1号被保険者や第3号被保険者になることで、掛金の上限額が増える人もいるでしょう。
iDeCo加入中に無職になったら、確定申告が必要なくなることがあります。1月~12月の収入がゼロ円なら税金を支払う必要がないため、確定申告でiDeCoの掛金を全額所得控除しても減税効果がないためです。
もし退職前の勤務先で「企業型確定拠出年金(企業型DC)」に加入していた場合は、無職になると、基本的にはiDeCoに資金を「移管」(=移動)することになります。
具体的には、iDeCoを扱っている金融機関の中から自分で好きな1社を選び、移管の申し込み手続きを行います。すると、企業型DCで購入していた金融商品は一旦売却して現金化され、新しく開設したiDeCo口座で自分が選んだ金融商品が購入されます。その後は、iDeCo加入者として掛金の拠出や運用ができます。
この移管手続きには「退職から約6カ月以内」という期限があるので、放置しないように注意しましょう。もし期限が過ぎると、企業型DCの積立金は自動的に現金化されて国民年金基金連合会に移管されます。すると、運用などもできないまま、自動移管の手数料(合計4,348円)や管理手数料(毎月52円)だけは徴収されてしまいます。
iDeCo加入中に仕事を辞めて無職になった場合のメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット:
デメリット:
無職の期間が短期間であればそれほど気にする必要はありませんが、「専業主婦・主夫になる」などの理由で無職の期間が長くなりそうな場合は、デメリットが痛く感じる人が多くなると予想されます。
無職になると、失業保険(正確には雇用保険の基本手当)を受給する人も少なくないでしょう。失業保険の受給中でも、iDeCoの積立は変わらず継続できます。iDeCoがある金融機関に届出をする必要も特にありません。
ただし、国民年金保険料の免除を受ける場合にはiDeCoの積立を停止(=加入者資格喪失届を提出)する必要があるので、覚えておきましょう。
無職になった理由が解雇や破産だった場合も、iDeCoの積立は問題なく続けられます。同時に、解雇や破産を理由に途中で解約することはできません。
なお、破産をしてもiDeCoの積立金は差し押さえできない規定(確定拠出年金法第三十二条)があります。もし破産しても老後用の資産を守れる点は、メリットといえます。
iDeCoを途中で解約する条件は非常に厳しいため、たとえ無職になっても、iDeCoに拠出したお金は原則60歳になるまで引き出すことはできません。
そのため、もし仕事を辞めてiDeCoの積立を続けると家計が厳しくなるときは、「掛金の減額」や「積立の中断」をして乗り切りましょう。
無職であっても非課税で運用できる点はiDeCoのメリットです。一方、原則途中解約ができず、手数料もかかり続ける点はデメリットです。
これからiDeCoに加入するか悩んでいる人は、専業主婦(主夫)になるなどして無職の期間が長くなりそうなら、手数料がかからずに非課税で運用でき、途中解約もできるNISA制度を活用するのもおすすめです。
iDeCoは会社を辞めたらどうなる?
iDeCoは会社を辞めても続けられます。
ただ、国民年金の被保険者種別が変わるとiDeCoの拠出限度額が変わります。第1号被保険者(無職・学生など)になる場合は月額6.8万円、第3号被保険者(専業主婦・主夫)になる場合は月額2.3万円です(詳しくはこちら)。
どちらの場合も、退職したらiDeCoがある金融機関で被保険者種別の変更届を出す必要があります。
iDeCoは無職でも加入できる?
iDeCoは、無職の人でも加入することができます。
ただし、国民年金保険料の免除を受けている場合や、国民年金を支払っていない場合には加入することができません。
iDeCoに加入したい人は、免除を受けずに国民年金保険料を支払いましょう。無収入の年は掛金が全額所得控除できるiDeCoのメリットを受けられませんが、近いうちに仕事を始めるなら、老後資金を着実に貯めながら非課税で運用できるiDeCoを活用するのはひとつの手です。
iDeCo(イデコ)は一人一口座しか持てないため口座選びが重要。でも、多くの金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。そこで、分かりやすい基準として、iDeCo専門サイトNo.1の「iDeCoナビ」でよく見られている金融機関と、独自サービスがある注目の金融機関をご紹介します。
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